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ひらめきの月曜日
 
袋食パンの名前は完全にビールだ

同じ会社ほぼ同じ価格なのに、違う

最後に食べるパン、1斤が98円と88円で値段的にどちらもすごいがんばりだなと思ったのだが、よく見たらともに第一パンの商品だった。

ビール会社も1社で同価格帯の新ジャンルをいくつも出すのは珍しくないことだ。

アサヒには“アサヒ極旨”と“クリアアサヒ”があり、キリンには“コクの時間”と“ホップの真実”があり、サッポロには“オフの贅沢”と“麦とホップ”があり、サントリーには“ジョッキ生”と“スーパーブルー”がある。

というか、新ジャンルずいぶんあるなー(このほかにもまだまだありました)。

いや、ビールじゃなくて食パンだった。食べてみましょう。


第一パン「麦ゆたか」 1斤98円(1枚約16円) 第一パン「蒼」1斤88円(1枚約15円)
サッポロに“みがき麦”って発泡酒もありますね “蒼”とは食パンのネーミングとしてはかなり思い切ってる

左から麦ゆたか、蒼。キメがだいぶ違う


そういえば食パンはビールじゃないんだった

麦ゆたかの方には、実はちょっと不利な戦いをさせてしまった。

「ちょっと…もさもさっとしますねえ」
「味もいよいよなくなってきたというか…」

試食部隊の評価もよくない。

安さもさることながら、どうやら前日買ったうえに方々持ち歩きもし、乾燥させて、鮮度を落としてしまったようなのだ。

ビールも鮮度というのはある程度重要なのかもしれないが、食パンほど深刻にはかかわってこないと思う(特に私のようにあまり味にこだわらない者にとっては)。

久しぶりに、そういえば食パンはビールじゃなかったと思い出させてくれた。

一方、買ったばかりであった蒼の方は意外なビールっぽさを見せる。


麦ゆたか。ヒキというよりもやや乾燥してしまった感じ

一方、蒼。パカっと割れてまったくヒキがなく、これはこれで「おお」と声が出た

がぶがぶ水がわりに食べるパン、登場

“蒼”は食べたとたんに高瀬さんも古賀も「おおっ?」と声が出た。とにかく軽い! ヒキがなく、歯ごたえもあまり感じない。するするっと入っていく。水か。

ビールを水がわりに飲むという表現をよく見るが、あれだ。とにかく

「軽い!」
「え、クラッカー?」

と、軽さに対するコメントしか出ない。

試食中、高瀬さんとはパンやビールの話をしつつも、授乳やら骨盤やら、子育てやらの話をたくさんしていた。この軽さには食べごたえがあまりないので、話しながら間違えて3枚くらい間違えて食べちゃうんじゃないかという感覚だ。

宴会が盛り上がると気づかないうちに酔っているものだと思うが、そのときはこんな食パンを知らず知らずのうちに食べているのかもしれない。

上の文、しれっとビールと食パンを入れ替えて書いてみましたが、そんなパンだった。

最後の最後まで、食パンとビールを強引に結びつけながら試食を終えました。


高瀬さんちにあったスプーンがバレンティノ


こんな楽しみがあってもいい

がんばって食パンはビールであるという思いを強めつつパンを食べ比べた。パンはおいしかった。でも、まあビールじゃないですよね!

ただ名前がこんなにも似通っているなんてやっぱりおもしろいし、ビールを断っている者としては、冗談でもちょっと本気でワクワクするものがあるのだ。「食パンがビールだなんて!」と。

なにより、子育ての話をしながらもぐもぐと2人で食パンを食べるというのは、ちょっとないことだと思う。

高瀬さんは、2ヶ月の赤ちゃんをあやしながら食パンを食べてくれました。まだ生まれたばかりだというのに、母がもくもくと食パンを食べているのをしっかり見守っていたよ。じっと。

最後に“特撰 超芳醇”を焼かずに食べてみたらまったくヒキがなく、スポンジケーキのようだった。袋食パンには謎も多い

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