駅員さんに教わった方へ、さっき来た側とは違う出口に出た。人っこ1人いない。
冬の日曜日の昼下がり。そんな条件だからか何なのか町にはほとんど人が歩いていなかった。静かな現実とは裏腹に駅員さんの「ねえーなあー」という声がエコーとなって頭に響いた。
八広の人のお薦め1:洋食50BAN
聞いた道を3分ほど歩いて行くとそれぽいお店を発見。
駅員さんからは51番と聞いていたけど、洋食店だしきっとココだ。イチローの背番号と間違えたか、王さんの背番号1をつけたしたのか。正しくは50BANというお店だった。
老舗と聞いていたので古いお店かと思いきや、そこはこじゃれた店内だった。
メニューの種類がけっこうあって何にするか悩んでいたところ、王さんの切抜きを発見。思い出の味絶品カツサンド(1,000円)を注文することにした。
この記事最大の見せ場、最高にテンションの上がった瞬間である。さすが王さんがオススメするカツサンド。早くも八広の名物にありつけた気分。満足満足。
この調子で次の目的地に向かいましょうかね、と店員さんにオススメの場所を聞いてみた。
中華屋のなぎさ亭、蕎麦屋のそば万、和菓子の梅鉢屋、古伊万里資料館、小林人形資料館、江戸小紋博物館、こんにゃく稲荷。店員の女性とおかみさんが次々と教えてくれた。なんだ、意外とたくさんありそうだ。
実は他にもあれはこれはと言ってくれたのだが、それは隣の東墨田や東向島といった別エリア。「八広限定」となるとソレ位ね、とのこと。
「でも今日は日曜だからやってるかしら・・・」
ハッ!(ちょっと跳ねる)駅員さんに感じたものとは違う新たな不安が出てきた。でも、、半分くらいはきっとやってますよね?
そのほかカツを頬張りながら聞いた事
私が「墨田区にはスカイツリーができるし、この辺りも活性化するといいですね」と言うと、「確かにそうだけどそうすると大きいスーパーなんかの施設ができて老舗はどんどん無くなっちゃうかもね、どっちがいいのか・・難しいわね」と言っていた。
確かにそれは寂しい。 1927年、元は中華屋から始まったこのお店は駅員さんが目を輝かせて薦めてくれたお店。八広の町代表として長く続けて欲しい。「そう言って貰えると嬉しいけどプレッシャーもあります。でもアド街やブログなんかでお店を取り上げてもらって支えて貰ってるから、頑張りますよ」とおかみさん。
王さんのヤンチャ時代
そんな話をしていると、ちょっと手の空いたシェフ(王さんのいとこで小さい頃一緒に住んでたらしい)が近くに来てくれたので最後の質問をしてみた。
私「あまり知られてない王さんの思い出話ありませんか?」 シェフ「うーん、王さん真面目だからねえ。有名になったら変なことできないしね・・・でも昔はガキ大将だったよ」 私「へー!何か具体的なエピソードありますか?」 シェフ「えーと・・・子供の時、皆オヤツ代わりにそこら辺のお店でもんじゃ焼きを食べたりしてたんだけど、王さんは女の子たちのもんじゃをワーって奪って食べちゃったりね」
こんな感じで「王さんはカツサンドともんじゃ好き」というトリビアを得た私は次のスポットに向かう事にした。 次はここから近い小林人形資料館へ行ってみよう。