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はっけんの水曜日
 
廃工場からコスプレの新・メッカへ!

檻からマシンガンまで要望に応えます

鋳物の景気が悪くなり、貸し工場を始めた金子さん。その中で変わった依頼がやってくる。しかしそれがこの工場の新たな方向性を生み出すことに。


「貸し工場やってるうちに、いつも紹介してくれる人が『芸術やってる人がアトリエを探してる』という話をふってきたんです。それで話を聞いたら、作業自体は工場と変わらないんですよ。木や鉄削ったり、溶接したりしてね」

−−絵じゃなくて造形の人ならたしかに似たようなもんですよね。

「じゃあ分ける必要ないし、ウチは家賃さえ払ってくれればいいし(笑)。自分はそんなアートとか興味あったわけじゃないんだけど、やっぱりアーティストって人種は普通の人と違う発想してて面白いんですよね」

−−それから徐々にアトリエとして使いたいという人が増えてきたんですか?

「最初の人が日大の芸術学部出た人で、そこの繋がりとかで他のアーティストも借りるようになって。一番多い時期で10人くらいで今は7、8人が常に入れ替わりがある感じですね」


さっきの廃工場の先にアトリエや貸工場、倉庫が。

これから新しい人が入るアトリエを見せてもらいました。
予想以上に綺麗。2階は住居スペースです。

「アーティストもいますけど、なかなか自分の作品で食えないじゃないですか。だからいろんな仕事するようになった人も多いですね。テーマパークとか、テレビのセットの仕事とか」

−−プロの造形方面ですね。

「バブルの頃はすごい景気でしたね。どんどん仕事来て忙しくて、間に合わせてくれればいくらでもお金出す、みたいな。借りる人も満室だったし」

−−やっぱバブルの時期ってアート系もそうなんですねー。

「中にはここのアトリエ4つくらい使って、もっと大きい所が必要になって結局引っ越した人いますね。今その人は村上隆(現代美術家)の仕事されてますよ。ベルサイユ宮殿とかも一緒に行ったり」

−−おー!そんな人も輩出されてるんですか。


そんな形でアトリエ使用が増えた日本金属鋳造工業株式会社、2004年にこの一帯を「KAWAGUCHI ART FACTORY」と命名。他にもギャラリー、そして廃工場らしい雰囲気を生かしてスタジオ貸しを始める。

現在スタジオは5つ、建物の表に書いてある大きな数字はスタジオの番号ですね。そんなトタン屋根のスタジオの中はこんな感じ!


全部で5つあるスタジオの中でも広めの部屋。

また別のスタジオ。正面から光りが漏れてきてイイ雰囲気。

このスタジオには檻のようなものが‥。まさか工場に?

当方の写真技術がアレなもんでどれだけ伝えきれるか分かりませんが、廃工場っぽい雰囲気は伝わりますでしょうか?この雰囲気の良さを求めて、最近コスプレイヤーの方が個人や団体でこちらのスタジオを利用することがすごく増えてるんだとか。

「最近はもう週末はけっこうコスプレイヤーの撮影が詰まってますね。特にそういった人たちに売り込んでたわけじゃないんですけど、彼らの横のつながりでけっこう知られたみたいで」

−−ちなみにこの檻って‥。

「いろいろ使ってもらってると『こういうの置いてほしい』とか言われるんですよ。それで檻っていうリクエストもあったんで作ってみたんです(笑)」


ちなみにこの檻は金子さんの自作。これ以外にも普通の廃工場にあるにはおかしなアイテムが‥。

バラとギターと皮ソファ、とか。
バラと刀とマシンガンとか。あと電話。

この辺はレイヤーの人的に使いそうな小道具、て感じしますね。たしかに。バラは基本なんでしょうか‥。

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